テーマ:読書

吉田修一 「長崎コレクション」読了

吉田修一 「長崎コレクション」読了。 青春、恋愛、犯罪に続く吉田さんの作品集第4弾。 例によって自伝小説と単行本未収録作品を拾い読み。 長崎は吉田さんの出身地。でも自伝小説は大学に入った後の東京での話。 同じ長崎出身の福山雅治は同い年で友達の友達だったらしい。 話に出てくる西武新宿駅前の一本桜が気になったので、 一緒…

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七瀬ふたたび 読書の思い出その3

読書の思い出その2に続きその3。 高校に入っても文庫本愛は変わらない。読書好きの友人もでき、楽しい読書生活。 部活は軟式テニスをやっていたので、通学時間が主な読書タイム。 教科書に「こころ」の一部が載っていたこともあり、 夏目漱石の前期3部作の「三四郎」、「それから」、「門」、 後期3部作の「彼岸過ぎまで」、「行人」、…

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ボッコちゃん 読書の思い出その2

読書の思い出その1に続きその2。 中学に入ったからと言って、本が好きになったわけではない。 5教科の中で国語の点数が一番悪かったので、 先生からは「本を読まないからだ。」と言われたけど、気にしてなかった。 ある日のこと、一番仲の良かった2つ年上のいとこが、 熱心に文庫本を勧めてきた。それは星 新一の「ノックの音が」だっ…

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がんばれヘンリーくん 読書の思い出その1

最近はあまり読めていないけど、読書はずっと好きだ。 これまでの遍歴を思い出しながら綴ってみたいと思う。 小学生の頃はあまり進んで本は読んでいなかったと思う。 学研の科学と学習を毎月買ってもらっていたけど、 科学の付録がお目当てで、本の方はほとんど記憶にない。 そんな頃、どんな経緯だったのかさっぱり覚えていないが、 新…

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朝井 リョウ 「死にがいを求めて生きているの」読了

朝井 リョウ 「死にがいを求めて生きているの」読了。 螺旋プロジェクト8冊目にしてラストの作品。 図書館本で半年以上待った。 時代は平成。北海道のとある町で暮らす男子2人。 3分の1ぐらい読んだところで、ようやく海族と山族の話が出てきて、 それまでは普通の同級生の話だと思って読んでいた。 2人のうちの1人が海族、もう…

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宮部 みゆき 「黒武御神火御殿」読了

宮部 みゆき 「黒武御神火御殿」読了。 三島屋変調百物語の6作目。 聞き手が三島屋夫婦の姪である、おちかから次男の富次郎に変わった。 三島屋の人々、百物語を聞く部屋などは変わらない。 「泣きぼくろ」はあやかし系のチョット微妙な話。 「姑の墓」はオカルト系。 「同行二人」は最後にチョットホッコリする話。 そして表題作はス…

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吉田 修一 「犯罪コレクション」読了

吉田 修一 「犯罪コレクション」読了。 青春、恋愛に続く吉田さんの作品集第3弾。 例によって自伝小説と単行本未収録作品を拾い読み。 自伝小説は中学生時代の繭を破り、高校で弾ける話。 水泳部での経験はそのまま彼の初期作品である「ウォーター」に繋がっているようだ。 未収録作品は「ストロベリーソウル」1篇のみ。 韓国のスケ…

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奥田 秀朗 「オリンピックの身代金」再読

先日読んだ「罪の轍」が気になったので、 「オリンピックの身代金」を再読。 忘れていたけど、やっぱり警視庁捜査一課五係が中心。 主人公の1人が落合刑事というのも同じ。 その落合刑事が「捜査一課に配属されて二年目、 初めて経験する大事件だ」と語っている。 「罪の轍」は「オリンピックの身代金」の一年前で、 配属間もない彼は児…

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吉田 修一 「恋愛コレクション」読了

吉田 修一 「恋愛コレクション」読了。 青春に続き恋愛をテーマにした小説集。 その中から読んでない単行本未収録作品4篇と、 自伝小説IIを拾い読み。 未収録作品には共通して閻魔ちゃんという 新宿のゲイバーのママが出てくる。 この人は吉田さんのデビュー作、「最後の息子」にも登場していて、 4篇のうちの1篇「愛を誓う」…

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奥田 英朗 「罪の轍」読了

奥田 英朗 「罪の轍」読了。 時は前回の東京オリンピックの1年前。 小学生の誘拐事件が発生。 捜査の網を偶然のようにすり抜けていた犯人は アッサリ捕まり、初めは否認していたが、 状況証拠が固まるにつれ、自供。そして、最後は…。 こんな書き方だと、何だかつまらなそうだけど、 そこは奥田さん、しっかり楽しませてくれる。 …

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吉田 修一 「逃亡小説集」読了

吉田 修一 「逃亡小説集」読了。 「逃げろ九州男児」、「逃げろ純愛」、 「逃げろお嬢さん」、「逃げろミスターポストマン」の4篇。 以前読んだ「犯罪小説集」と同様に、 実際に起きた事件をモチーフに書かれたと思われる 吉田さんのフィクション小説集。 逃げるお嬢さんは、間違いなくノリピーだ。

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森見 登美彦「熱帯」読了

森見 登美彦「熱帯」読了。 佐山尚一が書いた、誰も読み終えたことがない、 「熱帯」という小説をめぐる不思議な物語。 第一章から第三章までが、取りつかれた人々が「熱帯」を追いかける話。 第四章と第五章が「熱帯」の中身そのもの。でも、そこはモリミー、一筋縄ではいかない。 「熱帯」は千一夜物語の異本であり、失われた一挿話らしく、…

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宮部みゆき 「昨日がなければ明日はない」読了

宮部みゆき 「昨日がなければ明日はない」読了。 杉村三郎シリーズの5作目。 今回は「絶対零度」、「華燭」とタイトル作の3篇。 前作で私立探偵となった主人公は大家さんの家に事務所を構え、 地域にも少しずつ溶け込み始めている。 そんな繋がりから生まれた話が「華燭」。 これは私立探偵らしい話だけど、 残りの2作は殺人事件が絡…

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吉田 修一 「アンジュと頭獅王」読了

吉田 修一 「アンジュと頭獅王」読了。 西国に流された父の疑いを晴らそうと、 京都へ向かう親子が人買いに売られ、 母と別れさせられた幼い姉弟は丹後の山椒大夫に買われる。 そのうち、弟は姉の薦めで後ろ髪を引かれながらも、 国分寺へと逃げ込む。 このあたりまでは僕の知っている「安寿と厨子王」だけど、 ここからはハチャメ…

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米澤 穂信「Iの悲劇」読了

米澤 穂信「Iの悲劇」読了。 4つの章は雑誌に発表されていて、書き下ろしのプロローグ、エピローグと 残り2章で物語は構成されている。 冬には雪が積もる地方都市の、誰もいなくなった集落。 そこにIターンで人を住まわせるというプロジェクトを取りまとめる 主人公を含めた3人の市役所職員。 テスト期間中に来た2組はすぐに去り…

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吉田 修一 「青春コレクション」読了

吉田 修一 「青春コレクション」読了。 「パレード」、「初恋温泉」、「日曜日たち」などの、 青春がテーマの作品を集めた本。 その中から、読んでいない「紙吹雪」、「命綱」、「一途」と、 書き下ろしの「自伝小説Ⅰ」を拾い読み。 最初の3作はそれぞれの主人公の、一人住まいの女子、 レズの高校同級生と住んでいるゲイ、 コンビニ…

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柚月 裕子 「慈雨」読了

柚月 裕子 「慈雨」読了。 ウェブで評判だったので図書館で借りてみました。 退職した刑事が担当した事件の被害者を弔うため、 妻とともに四国八十八ヶ所を詣でる。 その初日に昔担当した遺恨の事件と同じような状況の 幼児誘拐殺人事件が起こり、 主人公は担当する後輩と連絡を取り始める。 捜査は中々進展しないが、56番札所で犯人…

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米澤 穂信 「本と鍵の季節」読了

米澤 穂信 「本と鍵の季節」読了。 久々の米澤さん。 「小説すばる」に掲載された短編5作と、まとめの書き下ろしが1作。 主人公は高校2年生。同じ図書委員の友人と小さな謎を解き明かす、青春ミステリー。 図書委員なので図書室から物語が始まるのは、 「古典部」シリーズが部室から始まるのと似てるけど、 違うのは男子の組合せという…

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海堂 尊 「氷獄」読了

海堂 尊 「氷獄」読了。 短編3作と中編1作。 「双生」は「螺鈿迷宮」の双子姉妹が東城大學付属病院で 研修医として働いている頃の話、 「星宿」は「ナイチンゲールの沈黙」の1年後のクリスマスの話、 「黎明」はホスピス病棟ができた時の話、 「氷獄」は「チームバチスタの栄光」と 「極北クレイマー」の被告をかけだしの正義の弁護…

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薬丸 岳 「蒼色の大地」読了

薬丸 岳 「蒼色の大地」読了。 螺旋プロジェクト7冊目。残り1冊。 海族のトップは瀬戸内の海賊の長、山族のトップは海軍の呉鎮守府の長官。 半分私怨のような感じで激しく争い合う中で、 山族の兄妹と海族の男が何とか止めようとするが、結末は‥。 海軍の長が山族で、海で争うというのはちょっと無理があるかも。 残り1冊は図書館…

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吉田 篤弘 「天使も怪物も眠る夜」読了

吉田 篤弘 「天使も怪物も眠る夜」読了。 螺旋プロジェクト6冊目。残り2冊。 時は2085年。東京は眠れぬ街になっている。 蒼い目が海族、大きな耳が山族という設定は同じだけど、 2つの一族の争いは明確ではない。 撮影が中止になった「眠り姫の寝台」という映画の主人公の 蒼い目の姫を大きな耳を持った王子がキスで目覚めさせる。…

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大森兄弟 「ウナノハテノガタ」読了

大森兄弟 「ウナノハテノガタ」読了。 螺旋プロジェクト5冊目。時代は紀元前3000年。 今回は海がイソベり一族、山がヤマノベ一族とわかりやすい。 名前とかがカタカナなので、最初は読みにくく、 「ウナ」が海のことだと気づくのにしばらくかかった。 地震をきっかけに、近くで暮らすことになった両一族は、 間に立つ人物が死んだこと…

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天野 純希 「もののふの国」読了

天野 純希 「もののふの国」読了。 螺旋プロジェクト4作目。 時代は中世から近世。平安時代から明治初期まで。 平 将門に始まり、西郷 隆盛までの「もののふ」は武士のこと。 平氏が海、源氏が山。それぞれの血を引くもののふが、争いを続ける。 両方の特徴を持つ、長老と呼ばれる妖怪のような人物が間に立ち、 歴史を方向付ける。 …

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宮部 みゆき 「この世の春」読了

宮部 みゆき 「この世の春」読了。 最初は中心人物の元藩主に亡霊が取りついたオカルト時代小説かと思ったら、 多重人格者だった。その3人は幼いままの本人と、 多重人格を形成するきっかけとなった女、そして怒りの塊の男。 物語は過去の闇を解き明かすことで、元藩主の病気が治り、 主人公の女性と結ばれるという大団円だけど、何だか…

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乾ルカ 「コイコワレ」読了

螺旋プロジェクト3作目。 時代は太平洋戦争末期。疎開する青い瞳を持つ小学生女子が海。 疎開先の寺に住んでいる女子が山。 最初からお互いに対立し、大きな事件が起きるが、 海女子の母親が疎開先を訪れ、海女子を諭したことで、 対立していた2人は少しだけ心を開く。 10話からなる物語のタイトルは字は違うけど読みはすべて「コウ」。 …

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澤田瞳子 「月人壮士」読了

螺旋プロジェクト2作目。 奈良時代を背景として、聖武天皇が亡くなったあとの、 とりまく人々の語りで物語は進む。 天皇家が山、藤原氏が海という明確な設定で、 聖武天皇が藤原氏の娘と結婚することで、 山が海に取込まれたことによる聖武天皇の苦悩が描かれる。 1作目の伊坂幸太郎の設定では、山と海は交わらないことになっていたので、本作…

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友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」読了

山中 伸弥 「友情」読了。 山中さんは言わずと知れたノーベル賞学者。 数年前に亡くなった平尾さんはラグビーのカリスマ。 2人はたった6年の付き合いだったけど、 山中さん曰く「40代半ばを過ぎてから男同士の友情を育むというのはめったにないこと」だそうだが、 家族ぐるみの濃厚な付き合いだったそう。 本書は山中さんのインタビュ…

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伊坂幸太郎 「シーソーモンスター」読了

伊坂幸太郎 「シーソーモンスター」読了。 中央公論新社 小説BOCに連載された螺旋プロジェクトの、 「シーソーモンスター」と「スピンモンスター」の2編。 前者の時代設定は米ソの冷戦時代。嫁姑問題に悩むサラリーマンのピンチを、 最後は嫁姑が救う。コミカルで流れるようなストーリー展開はさすが。 後者は近未来。数奇な運命を抱…

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宮部みゆき 「あやかし草子」読了

宮部みゆき 「あやかし草子」読了。 三島屋変調百物語の5作目。 開けずの間、だんまり姫、面の家、あやかし草紙、金目の猫の5編。 今回もおどろおどろしい話と、ほっこりする話が混在しているけど、 一番驚いたのは、まさかの大団円を迎えたこと。 本当に百編書くんだとばかり思っていたので、ちょっと残念。

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横山 秀夫 「ノースライト」読了

横山 秀夫 「ノースライト」読了。 「ノースライト」は北向きの窓から差し込む優しい光。 主人公はバブル崩壊を経験し、離婚して娘と月に1回会う、小さな事務所に所属する建築士。 ある夫婦からの依頼で「ノースライト」を生かした会心の家を建てる。 その後、失踪した顧客の捜索するミステリー。 実在した建築家タウトが物語の軸をなす。 …

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